2007年10月21日

産経新聞のミコット・エンド・バサラについての記事が、イマイチ不明瞭だ



映画制作に「成功報酬」導入 独立系映画企画会社(1)
映画制作に「成功報酬」導入 独立系映画企画会社(2)

記事を読むと、要するに脚本家やアニメーターや制作会社にお金が還元されるシステムを採用してるってことらしいんですけど、この記事を書いてる執筆者が、一般的な映画にまつわる金の流れについてイマイチ詳しくないせいか、非常に不明瞭な内容になっています。

冒頭から順に見ていきます。
独立系映画企画会社のミコット・エンド・バサラ(東京都渋谷区)が、制作現場にも利益を還元する「成功報酬システム」を導入し、邦画業界の変革に一石を投じている。

ふんふん。で、どんなシステムなの? と期待しつつ読み進めます。
ミコットの成功報酬システムの仕組みはこうだ。タカラトミーやセガなど大株主から約5億6000万円という手厚い資本金を集めた同社が、企画から配給、キャラクターグッズやDVDの販売まで全体的に映画ビジネスの主導権を握る。

特に目新しい独自性はないですね。今のところ。
で、更に読み進める。
まず、グッズやDVDの販売などで、関連する企業から「最低保証額」の契約をとりつけ、トータルの収益を見積もる。

グッズやDVDで最低保証金についての条項を含まない契約のほうが珍しいと思うんですが。で、トータルで収益を見積もらないで映画を作る粗忽者ってどこにいるんですか。
利益の15%から20%を成功報酬として、脚本家やシナリオライターなどのクリエーターや制作会社など現場に還元する契約を結ぶ。

印税方式で成功報酬を現場の人に還元するシステム自体は、一般的ではないですが珍しくもないです。ただ、15%〜20%ってのはたしかにあまり聞いたことがないくらい高い比率です。これはなかなか凄いです。
これまで、邦画の制作は、脚本家やシナリオライターたちが、劇場を持つ大手映画会社に企画を持ち込み、採用された場合、制作費の予算を提示される。劇場への観客動員やDVD販売が成功しても、現場が受け取る報酬は、制作費の予算額と実際にかかった制作費の差額にとどまる。

よくわからない。現場が受け取る報酬というのは、制作費の一部でしょうが。つまり、制作費そのものなんですが。まあ、言葉の問題かもしれませんが。
最近は、テレビ局や広告会社などの出資者を巻き込んだ「製作委員会方式」が主流になっているが、この場合も、現場が受け取る報酬の仕組みはほぼ同じ。ミコットは、製作委員会方式の場合も、幹事社に就任し、成功報酬制度の導入を働きかけている。

製作委員会方式を採用する場合でも、成功報酬制度を導入するかどうかは、製作委員会を組む基本契約で規定されるわけですから、成功報酬制度を導入することと、ミコットが幹事会社に就任することに直接の関係があるようには思えませんが。まあ、幹事会社になりたいですという積極性が、まあそれならこいつらのいう成功報酬制度を採用してやってもいいかなという流れになるということなんでしょうね。
三宅社長は「製作した映画の約4割で現場への還元ができている。成功例を積み重ね、投資家の信頼を得ていきたい」と話している。

この書き方からすると、制作費や配給経費の回収後を起点にして現場への成功報酬印税が分配されるってことでしょうか。そうすると、ミコットは6割の映画で赤字だってことを意味しそうなんですが。

<結局のところ、こういうシステムなのかなという予想>

たとえば、映画興行について、
制作費:1億円と仮定
P&A:5000万円と仮定
配給手数料控除後の配給収入:2億円と仮定
現場への成功報酬率:20%と仮定

(2億-5000万-1億円)×20%=1000万円
=現場への成功報酬=1000万円
残りの4000万円は製作会社へ

結論としては、記事は不明瞭だが、ミコットはなかなかがんばっている(ってつまんない結論だな。。)
posted by valisystem at 22:26| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
報酬の算出源が「利益」というのがポイント。宣伝経費がかさめば利益などはすぐにゼロになります。ハリウッド式のトリックで原作者側にかなり不利な契約内容の典型です。この会社の狙いはちがうところにあるとおもいますが(おもいたいです)が画期的なシステムのように書いているのは記者が不勉強なだけですね。
Posted by 楊朱夏 at 2010年05月07日 22:19
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