2007年11月04日

>1の質問に勝手に答えてみた

ここの話です。
1 名無しさん名無しさん :2005/08/21(日) 19:23:29
アニメの製作委員会制度がいまいち解らん。利害関係者が共同出資
して任意組合を作る。各著作権は委員会で共有するまではわかる
んだが、たとえば出資者にビデオメーカーがいた場合、DVDの売
上げは、出資比率に応じて関係者に配分すんの?任意組合といって
も実体がないだろうし窓口業務ってだれがやってんの?
スレ中でも答えが出てる部分から先に書きますと、製作委員会の窓口業務は幹事会社が行います。製作委員会を組むときの基本契約書に規定されるのが通常です。そして、この基本契約書には、他にも出資比率等が規定されます。
A社:60%
B社:20%
C社:5%
D社:5%
E社:5%
F社:5%
とかまあ、そんな感じです。で、窓口業務を行う幹事会社の手数料(いわゆる窓口手数料)を定めます。5%とかそういう感じで。

そして、ここで仮にB社がビデオメーカーだとしましょう。この場合、どこかでB社によるDVD化について、許諾契約を締結する必要があります。基本契約書の中に入れ込むというのも可能でしょうが、ここでは別途、(製作委員会を代表する)幹事会社とB社との間でDVD化を許諾する契約を締結したとします。この場合、製作委員会が許諾者B社が被許諾者です。

しかし、前述のとおり、B社は製作委員会に参加している出資者でもあります。つまり、この場合、B社の立場というのは、製作委員会としてDVD化を許諾している立場と、DVDメーカーとしてDVD化を許諾される立場の2つが存在するわけです。

そのため、B社が得ることになるDVDの売上からの収入も、2つの立場に立っているがゆえに、製作委員会の一員としての収入と、DVDメーカーとしての収入という、2種類あります。

ここで、前述のDVD化許諾契約において定められた、B社から製作委員会に対して支払うロイヤルティの計算式が、以下のようなものであると仮定しましょう。
(出荷枚数ー出荷枚数×返品控除15%)×標準小売価格×20%
そして、実際の数字を以下のものと仮定します。
出荷枚数:1万枚
標準小売価格:3000円
この数字を元に前述のロイヤルティの計算式に当てはめてみましょう。
(1万枚ー1500枚)×3000円×20%=510万円
という具合に、B社から幹事会社に対して510万円支払われるわけです。一方、DVDを卸してB社が儲けた部分等は、B社のDVDメーカーとしての収入になります。

さて、以上のように幹事会社は510万円を受け取りました。ここから製作委員会各社への分配が始まります。ここでは話を簡単にするために、製作委員会各社への分配より先に行うトップオフ項目がないことを前提にします。
幹事会社(A社)の窓口手数料:510万円×5%=25万5千円
製作委員会各社への分配額の総額:510万円ー25万5千円=484万5千円
A社の取分:484万5千円×60%=290万7千円(+窓口手数料の25万5千円)
B社の取分:484万5千円×20%=96万9千円
C社の取分:484万5千円×10%=24万2千2百5十円
D社の取分:484万5千円×10%=24万2千2百5十円
E社の取分:484万5千円×10%=24万2千2百5十円
F社の取分:484万5千円×10%=24万2千2百5十円
という具合になります。計算ミスがあったらご愛嬌ということで。
posted by valisystem at 00:54| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月01日

製作委員会に関する文章について、ちょっと間違ってるというか誤解を招く部分を指摘してみる

さて、今日はこのエントリについてです。

順番に見ていきましょう。とはいっても、このかたの場合、大枠では外してません。ここしばらく、めちゃくちゃな知識をもとにアニメのお金の流れについてネット上で色々書いている人たちを山のように見てきたので、その中にあってはかなりまともに見えますし、実際かなりまともです。
アニメ制作会社の多くは受注生産であり、
おっしゃるとおりです。
著作権はほとんど発注側に持っていかれる。
その制作会社が製作していないなら、その制作会社には著作権が発生しないので、その意味ではそのとおりです。
現在のアニメのほとんどは「製作委員会」という方式で作られている。
はい。そうですね。
特にTVアニメはそうだ。で、この製作委員会が何なのか、意外とみんな知らない。
少なくとも劇場用アニメはほぼ製作委員会方式です。ですので、特にTVアニメはそうだ、というのはちょっと違います。瑣末なことではありますが。
製作委員会とは、その作品に出資した人たちが集まった集団で、出資額に応じて作品からの収益を分配したり、
あっています。
著作権を分担したりしている。
より正確には、著作権を共有しつつ、著作権行使を分担しているです(共有だけで、特に行使の部分では分担しない出資者というのもありますが)。
これを受けた制作会社はその予算でアニメを毎週作って納品する。これがヒットすればグッズの売り上げやDVDの売り上げは、製作委員会に入って、出資比率に応じて製作委員会のメンバーに分配される。
実際は、幹事会社の窓口手数料とかそういう細かい話はありますが、基本的にはおっしゃるとおりです。
製作委員会に出資したメンバーが著作権を持っているのである。
まったくそのとおりです。この辺を勘違いしてる人たちはよく見かけますね。DVDが売れれば制作会社が儲かる的なオオウソとか(もちろん間接的には儲かるとはいえそうです。ただ、直接著作権使用料という形でお金は入ってきません)。
グッズ・DVDの売り上げも製作委員会に支払われるので、実際にアニメを作った制作会社にはその売り上げでの利益は全く返ってこないという仕組みになっている。
おっしゃるとおりです。
つまり、手を動かしてアニメを制作した制作会社は、受注した製品を納入したときに支払われる代金しかその作品での利益が得られないのであり、手を動かさず、放送したり宣伝したりしただけの製作委員会のメンバーだけが利益を独占するという、異常な構造になっている。
実は今回一番指摘したかったのは、この部分です。注意しなくてはならないのは、製作委員会の各社は、製作した作品から利益を得ますが、赤字なら損失を抱えるという点です。たとえば10億円で劇場用アニメーションを製作したとして、映像3権やらグッズやらでがんばったものの、売上が1億円しかなかったとします。この場合、出資者は出資額を回収できません。つまり赤字です。一方、単に制作を受注しただけの制作会社は、もともと出資していないので、出来上がったアニメーションの各種売上で黒字が増えることはありませんが、どんなに大コケしてもその大コケによる赤字を直接かぶることはありません(注)。つまり、ここで言いたいのは、赤字のリスクを負って出資する製作委員会各社が、利益が上がったときに利益を得ること自体は、必ずしも不当なこととはいえないということです。加えて、「放送したり宣伝したりするだけ」とありますが、放送したり宣伝したりするというのは、当然そこには労力も金もかかってくるというのを忘れてはなりません。もちろん、この文章が、「利益を独占することが問題だ」という点については、そういう意見もありだろうとは思います。間違っているとは思いません。ただ、なんとなく製作委員会が極悪みたいな印象を与える文章だったので、一応それなりの言い分はあるんだよと指摘するのが公平かなと思いました。

注:とはいえ、もちろん、制作会社が受け取るお金だけでは制作会社がとってもまずしい状況におかれがちな現状というのは大問題です。ただ、中小の制作会社にしてみれば、受託業務についてのお金が適正でさえあれば、リスキーな出資には手を出したくないというのはあります。その意味で、何個か前のエントリでちょっと触れたミコット・エンド・バサラの分配のやり方は、制作会社にはとっても嬉しいわけです。彼らの方式は多分にボランティア的なシステムだなとは思いますが。もっとも、制作会社が痩せていくと業界全体が痩せていくのは間違いないので、その意味では制作会社に対してボランティア的だろうと一向に構わないわけですが。
posted by valisystem at 01:04| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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