2009年05月28日

池田信夫さん、間違ってますよ

池田信夫さんがブログで、google book searchについての文章を書いています。

しかし残念ながら、基本的な事実関係を全くご存知ではない様子。
以下、順に指摘します。

ブック検索を使ってみればわかるが、

この部分でリンクを貼っている「ブック検索」は日本のブック検索。
3〜4月頃から出版各社や文藝家協会が騒いでいるgoogle book searchの件は、米国のgoogle book searchの話で、この二つは全然違います。

そもそも、今回の大騒ぎは、直接的には、アメリカでの米国出版社協会(AAP)と著作者団体(Author Guild)対googleの訴訟において、三者で和解が成立したことに端を発しています。

この和解の効力は米国内で著作権が存在する書籍に及びます。そして日本はベルヌ条約に加盟していますから、ベルヌ条約との併せ技一本で、日本で著作権が存在する書籍は自動的に米国内で著作権が存在することになり、結果的に日本の出版各社等に和解の効力が及びます(ザックリ言うと、ではありますが)。このことで、日本の出版各社等はさわいでるわけです。一方で、今回の件はあくまでも米国内での話です。

これにより、今回の和解によってgoogleが米国内で可能になったオンライン上での書籍利用について、日本の出版社が利害関係のある立場になったわけです。一方で、googleは、日本のブック検索では、同様の行為を行うことはできません。、日本向けのブック検索を見てみたところで、今回の件のことは分かりません。

これは本の一部を「立ち読み」できるだけで、

では、今回の和解によってgoogleが米国内で可能になったオンライン上での書籍利用とは、どういう形態での利用を指すのでしょうかと言いますと、おおよそ以下のような内容です。

1)表示使用(アメリカ国内のPC限定)
  a)アクセス利用:googleが作成するデータベース上から、書籍の閲覧、コピー、プリントアウト等ができる権利を有償・無償で許諾すること。
b)プレビュー利用:書籍の一部を無償で閲覧させること。
  c)スニペット表示:ユーザーが全文検索機能を使用することにより、書籍の一部分のみを閲覧させること。
2)広告利用
  表示使用によって表示される各ページへの広告の掲載。

このうち、a)は書籍の全文を対象にしています。
つまり、まったく一部の立ち読みにとどまる話ではありません。

google book searchの件は、分かりにくさはあるものの、オンライン上でも様々なところで説明・解説が読めます。さしあたって、googleが作成したこのあたりのFAQを一読されると良いかもしれません。

ちなみに、だからといって文藝家協会とかの主張が正しいとか言ってるわけじゃありません。僕はなにせレッシグ大好き人間ですし(笑)。
posted by valisystem at 15:27| 東京 ☔| Comment(63) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月26日

google book searchが面倒くさい

今月、googleがあたくしの仕事を増やしやがってまして、大変に面倒くさいです。

それもこれもgoogle book searchのせいでして、もっというと米国出版社協会がクソったれで、 クラスアクションでgoogleと和解などという大技に出たせいです。

これによって何が起こったかというと、ベルヌ条約との合わせ技一本で、出版社ではないもののコンテンツホルダーなもので書籍をそれなりに出してるあたくしの会社にも、というか日本のすべての出版社が、5月5日まで無反応だと自動的に、この海の向こうの訴訟の和解に参加したことになるということなのですな。

そうするとどうなるかといいますと、あたくしの個人的なコピーレフトな政治的信条などとは関係なく、会社の方針とかがありまして、いやおうなくディフェンス一辺倒の負け戦へとなだれ込まされるわけです。

今回の和解の件でいうと、googleの企みの深さが凄すぎて、空恐ろしいくらいです。

実際、3月後半からの日本の各出版社の混乱ぶりはなかなか凄いです。
もう、通知書が飛び交いまくり。ミーティングもたれまくり。

で、まあそれはともかく、余談としては、かなり先頭を切って通知書を一斉送付し始めた講談社の通知書が、明らかに日本書籍出版協会が出してる文書をかなり参考にしているわけなのですが、その後、通知書を遅くに出す出版社であればあるほど、どんどん通知書の内容が洗練されてくるという状況がなかなか面白いです。
先行して作られた通知書を徐々に改良していってる訳ですな。
posted by valisystem at 02:54| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月12日

使える筋肉 使えない筋肉

時々、ウェイトトレーニングの話をしているときに、「使える筋肉」だとか「使えない筋肉」だとか抽象的に言い出す愚か者がいて、そういう連中は愚かなのだけど、明確にその愚かさを説明するのがどうも簡単ではないなあと、思ってました。

そこで、彼らがどこでつまずいているのかを簡潔に言うにはどうすれば良いか考えました。

結論から言うと、
「筋肉の使える使えないというのは、使用目的との関係で相対的に決まるものであり、使用目的から離れて抽象的に『使える筋肉』や『使えない筋肉』というものが存在するわけではない」ということです。

 やたらめったらウェイトトレで鍛えて、例えばベンチプレス200キロとかスクワット250キロとかそういうレベルのマッチョマンの筋肉というのは、たとえばマラソンでは全然ダメでしょうし、サッカーとかそういう球技にも向いてない筋肉だとは言えるでしょう。

 それをもってして、「ウェイトトレで作った筋肉って『使えない筋肉』なんでしょ」的な発言をする人がいるわけです。しかし、これは非常にナンセンスで、上記の人間の筋肉はベンチ競技には向いてるし、サッカー選手より腕相撲は強いでしょうし、マラソンランナーより相撲は強い可能性が高いです。

 どんな方法であれ、鍛錬により鍛えられる筋肉というのは、あらゆる局面において万能な筋肉ではないんです。この部分でつまずいてる人が多いです。各人の筋肉には、鍛え方によって、長所・短所があり、その長所・短所は使用目的との関係で決まってくるわけです。

 わかりにくいでしょうか。

 もしかしたら、具体的なアスリートをイメージしていただくと分かりやすいと思います。例えばこういうことです。

 イチローと室伏の筋肉はどっちが使える筋肉でしょうか。

 はい。これだと、ある筋肉が使えるか使えないかというのは、使用目的との関係で決まるということが理解しやすいのではないでしょうか。もちろん、イチローのほうが室伏より、野球で使用する目的においては、より使える筋肉でしょう。室伏のほうがイチローより、ハンマー投げに使用する目的においては、より使える筋肉でしょう。

 使用目的から離れて抽象的に「使える」「使えない」などと言えないということが分かっていただけたでしょうか。
posted by valisystem at 01:21| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月04日

>1の質問に勝手に答えてみた

ここの話です。
1 名無しさん名無しさん :2005/08/21(日) 19:23:29
アニメの製作委員会制度がいまいち解らん。利害関係者が共同出資
して任意組合を作る。各著作権は委員会で共有するまではわかる
んだが、たとえば出資者にビデオメーカーがいた場合、DVDの売
上げは、出資比率に応じて関係者に配分すんの?任意組合といって
も実体がないだろうし窓口業務ってだれがやってんの?
スレ中でも答えが出てる部分から先に書きますと、製作委員会の窓口業務は幹事会社が行います。製作委員会を組むときの基本契約書に規定されるのが通常です。そして、この基本契約書には、他にも出資比率等が規定されます。
A社:60%
B社:20%
C社:5%
D社:5%
E社:5%
F社:5%
とかまあ、そんな感じです。で、窓口業務を行う幹事会社の手数料(いわゆる窓口手数料)を定めます。5%とかそういう感じで。

そして、ここで仮にB社がビデオメーカーだとしましょう。この場合、どこかでB社によるDVD化について、許諾契約を締結する必要があります。基本契約書の中に入れ込むというのも可能でしょうが、ここでは別途、(製作委員会を代表する)幹事会社とB社との間でDVD化を許諾する契約を締結したとします。この場合、製作委員会が許諾者B社が被許諾者です。

しかし、前述のとおり、B社は製作委員会に参加している出資者でもあります。つまり、この場合、B社の立場というのは、製作委員会としてDVD化を許諾している立場と、DVDメーカーとしてDVD化を許諾される立場の2つが存在するわけです。

そのため、B社が得ることになるDVDの売上からの収入も、2つの立場に立っているがゆえに、製作委員会の一員としての収入と、DVDメーカーとしての収入という、2種類あります。

ここで、前述のDVD化許諾契約において定められた、B社から製作委員会に対して支払うロイヤルティの計算式が、以下のようなものであると仮定しましょう。
(出荷枚数ー出荷枚数×返品控除15%)×標準小売価格×20%
そして、実際の数字を以下のものと仮定します。
出荷枚数:1万枚
標準小売価格:3000円
この数字を元に前述のロイヤルティの計算式に当てはめてみましょう。
(1万枚ー1500枚)×3000円×20%=510万円
という具合に、B社から幹事会社に対して510万円支払われるわけです。一方、DVDを卸してB社が儲けた部分等は、B社のDVDメーカーとしての収入になります。

さて、以上のように幹事会社は510万円を受け取りました。ここから製作委員会各社への分配が始まります。ここでは話を簡単にするために、製作委員会各社への分配より先に行うトップオフ項目がないことを前提にします。
幹事会社(A社)の窓口手数料:510万円×5%=25万5千円
製作委員会各社への分配額の総額:510万円ー25万5千円=484万5千円
A社の取分:484万5千円×60%=290万7千円(+窓口手数料の25万5千円)
B社の取分:484万5千円×20%=96万9千円
C社の取分:484万5千円×10%=24万2千2百5十円
D社の取分:484万5千円×10%=24万2千2百5十円
E社の取分:484万5千円×10%=24万2千2百5十円
F社の取分:484万5千円×10%=24万2千2百5十円
という具合になります。計算ミスがあったらご愛嬌ということで。
posted by valisystem at 00:54| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月01日

製作委員会に関する文章について、ちょっと間違ってるというか誤解を招く部分を指摘してみる

さて、今日はこのエントリについてです。

順番に見ていきましょう。とはいっても、このかたの場合、大枠では外してません。ここしばらく、めちゃくちゃな知識をもとにアニメのお金の流れについてネット上で色々書いている人たちを山のように見てきたので、その中にあってはかなりまともに見えますし、実際かなりまともです。
アニメ制作会社の多くは受注生産であり、
おっしゃるとおりです。
著作権はほとんど発注側に持っていかれる。
その制作会社が製作していないなら、その制作会社には著作権が発生しないので、その意味ではそのとおりです。
現在のアニメのほとんどは「製作委員会」という方式で作られている。
はい。そうですね。
特にTVアニメはそうだ。で、この製作委員会が何なのか、意外とみんな知らない。
少なくとも劇場用アニメはほぼ製作委員会方式です。ですので、特にTVアニメはそうだ、というのはちょっと違います。瑣末なことではありますが。
製作委員会とは、その作品に出資した人たちが集まった集団で、出資額に応じて作品からの収益を分配したり、
あっています。
著作権を分担したりしている。
より正確には、著作権を共有しつつ、著作権行使を分担しているです(共有だけで、特に行使の部分では分担しない出資者というのもありますが)。
これを受けた制作会社はその予算でアニメを毎週作って納品する。これがヒットすればグッズの売り上げやDVDの売り上げは、製作委員会に入って、出資比率に応じて製作委員会のメンバーに分配される。
実際は、幹事会社の窓口手数料とかそういう細かい話はありますが、基本的にはおっしゃるとおりです。
製作委員会に出資したメンバーが著作権を持っているのである。
まったくそのとおりです。この辺を勘違いしてる人たちはよく見かけますね。DVDが売れれば制作会社が儲かる的なオオウソとか(もちろん間接的には儲かるとはいえそうです。ただ、直接著作権使用料という形でお金は入ってきません)。
グッズ・DVDの売り上げも製作委員会に支払われるので、実際にアニメを作った制作会社にはその売り上げでの利益は全く返ってこないという仕組みになっている。
おっしゃるとおりです。
つまり、手を動かしてアニメを制作した制作会社は、受注した製品を納入したときに支払われる代金しかその作品での利益が得られないのであり、手を動かさず、放送したり宣伝したりしただけの製作委員会のメンバーだけが利益を独占するという、異常な構造になっている。
実は今回一番指摘したかったのは、この部分です。注意しなくてはならないのは、製作委員会の各社は、製作した作品から利益を得ますが、赤字なら損失を抱えるという点です。たとえば10億円で劇場用アニメーションを製作したとして、映像3権やらグッズやらでがんばったものの、売上が1億円しかなかったとします。この場合、出資者は出資額を回収できません。つまり赤字です。一方、単に制作を受注しただけの制作会社は、もともと出資していないので、出来上がったアニメーションの各種売上で黒字が増えることはありませんが、どんなに大コケしてもその大コケによる赤字を直接かぶることはありません(注)。つまり、ここで言いたいのは、赤字のリスクを負って出資する製作委員会各社が、利益が上がったときに利益を得ること自体は、必ずしも不当なこととはいえないということです。加えて、「放送したり宣伝したりするだけ」とありますが、放送したり宣伝したりするというのは、当然そこには労力も金もかかってくるというのを忘れてはなりません。もちろん、この文章が、「利益を独占することが問題だ」という点については、そういう意見もありだろうとは思います。間違っているとは思いません。ただ、なんとなく製作委員会が極悪みたいな印象を与える文章だったので、一応それなりの言い分はあるんだよと指摘するのが公平かなと思いました。

注:とはいえ、もちろん、制作会社が受け取るお金だけでは制作会社がとってもまずしい状況におかれがちな現状というのは大問題です。ただ、中小の制作会社にしてみれば、受託業務についてのお金が適正でさえあれば、リスキーな出資には手を出したくないというのはあります。その意味で、何個か前のエントリでちょっと触れたミコット・エンド・バサラの分配のやり方は、制作会社にはとっても嬉しいわけです。彼らの方式は多分にボランティア的なシステムだなとは思いますが。もっとも、制作会社が痩せていくと業界全体が痩せていくのは間違いないので、その意味では制作会社に対してボランティア的だろうと一向に構わないわけですが。
posted by valisystem at 01:04| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月30日

ニコニコ動画にアップされている個々の動画をいちいち削除するのはとっても面倒なんだよって話

前回のエントリで取り上げたこのエントリの話の続きをちょっとだけ。

リンク先のブログ主が、コメント欄で、
俺の中では決まって一日たってから削除される動画は宣伝のために一日放置している動画ですし、

と、おっしゃっていますので、これはそう簡単には権利者の意思を推し量れるものではないという点について、ちょっとだけ。

個人的に、ニコニコ動画を削除している各社の人たちの事情を知っているのですが(知り合いに多いので)、その人たちの事情は様々です。なんで様々なのかというと、各社には、ニコニコ動画やらyoutubeやらの動画を削除することを専門にしてる人というのは普通いないんです。

あくまでも、普段の仕事でできる範囲で、削除の仕事を割り振られた担当者が、検索ワードを決めて毎日ちょっとずつ消すとか、思い立ったときに一気に消すとかしてるわけです。つまり、「毎日消す作業をする余裕がないので単に1日置きに消す」というルーチンを個人的に組んでいるだけというケースがあるんですね。更に、違法とされている動画を消したいんだけど単に存在に気づいてないというケースもあります。

加えて、もっと技術的な理由もあります。ニコニコ動画の権利者用の削除システムというのは、途中で多少改良されてはいますが、現在においても、大量削除をストレスなくできるようにはなっていません。これは何との比較かというと、youtubeとの比較においてそういえます。youtubeの権利者用削除ツールは、大量削除をしやすいインターフェースなんです。ニコニコ動画よりずっと。

とのこと。
posted by valisystem at 15:50| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月28日

制作会社と製作会社は違うんだっていういつもの話

このエントリがイマイチ焦点がぼやけてる要因の一つは、(このブログで何度か書いてきましたが)制作と製作の区別がついてない点にあります。
ニコニコ動画から削除することは、アニメの権利者に不利益しかもたらさない。逆にニコニコ動画を活用することで、テレビ局の巨大な中間搾取を排除し、既得権益者に甘い汁を吸わせることなく合理的な経営が出来る。人を人とも思わない過酷な労働環境に置かれたアニメーターにおいしいご飯を食べさせることもできる。
(強調は私がつけました)
あるアニメについて、そのアニメの制作会社がそのアニメを製作していない場合は、いくらそのアニメのDVDが売れても、制作会社には著作権使用料といった種類の金は入ってきません(もちろん、ミコットが最近やってるような特殊なやり方を採用してるのなら、金が入ってくることはありえますが、それはまた別の話)。したがって、その場合、アニメーターがDVDの売れ行きによって潤うという流れもありません。

このエントリと似てる話ですね。
posted by valisystem at 23:26| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月26日

アフリカをオンライン化するためにクリック以上に必要なもの

SAT-3--WASC-route.png
2007年10月18日(economist.com)

コンピュータ社会の到来以降、アフリカとブロードバンド世界の溝は、依然としてグランドキャニオン並みに深い。たった4%のアフリカ人だけがインターネットにアクセスできる環境を持っている。それらのアフリカ人は、250〜300ドルという、世界で最も遅い回線速度に対して、世界で最も高い金額を支払っている。電子商取引はかろうじて存在しているにすぎない。ナイジェリアの人口はおよそ1億4000万人だが、自分名義のドメインでWebサイトを開設しているのはわずか数百人にすぎない。ブログは活気があふれているが、まだまだ少数だ。

仮にサブサハラ(注1)の規模を、利用可能なインターネット接続を尺度として計るなら、アイルランドくらいのサイズといえる。サブサハラの48国中、28国が中央アフリカと東アフリカに位置し、もっとも脆弱な人工衛星技術のみによってWebに繋がっている。ダイヤモンド鉱山や国連キャンプにおける予備のインターネット配線は別として、サブサハラの中で最も大きい2つの国であるコンゴとスーダンの全地域で、インターネット接続環境が存在しない。ウガンダのようなインターネットを推進している国々でさえ、草の根レベルからのスタートだ。マイクロソフト社の調査によると、200人に1人のウガンダ人しか定期的にEメールを使用していない。

この数字は、より頑強なSAT-3海底ケーブルによって高速度と低コストを実現させている西アフリカではもっと高い。南アフリカからスーダンまでインド洋海底沿いに9900キロ走っている、EASSyという名で知られる東アフリカのケーブルシステムは、中央アフリカと東アフリカの接続速度を数年中に向上させるために作られているが、まだ稼動していない。

アフリカ人は、更に、旧式にシステムや不安定な電力に対処しなければならない。インターフェースは、多くのアフリカの言語で書かれているが、Windowsの使用に関する、ウォルフ語やヨルバ語のもっとも分かり易い使用説明書でさえ、かなりの程度の読み書き能力を要すると推定される。かてて加えて、大部分のアフリカのインタネットカフェのカタツムリ並みに遅いダイアルアップ接続では、豊かな国のWebでのビデオやSNSといった高画質のグラフィックコンテンツはろくすっぽ機能しない。

仮に、国営独占の電気通信会社が、これらの舵取りをした場合、これらすべての事情はアフリカ人にとってよくない結果をもたらすだろう。とはいえ、幸運にも、国営独占の電気通信会社は、世界銀行が過去10年間に250億円つぎ込んだとも言われる、よりスリムで透明性の高い携帯電話会社から見捨てられている。アフリカ大陸は、依然として巨額の投資見通しがある土地で、特にインターネット関係においてはそうだ。

2005年に行われた“digital solidarity”(デジタル結束?)という国連の呼びかけは、今までのところ、たいした成果をあげていない。今月下旬にルワンダで開催されるアフリカコネクトと呼ばれる会議は、この流れを後押しすることを意図したものだ。この会議は純粋なビジネスの場になるだろうといわれている。チャリティではなくて。アフリカ諸国の政府は、非効率なお役所仕事の削減や、オンライン化コストを3分の2に削減すること及び、2012年までに省庁、病院、学校をオンライン化すること期待したテクノロジー企業の振興について、とりわけ世界銀行とアフリカ開発銀行からの圧力を受けるだろう。


注1:アフリカ大陸のサハラ砂漠より南の地域
posted by valisystem at 16:37| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月21日

産経新聞のミコット・エンド・バサラについての記事が、イマイチ不明瞭だ



映画制作に「成功報酬」導入 独立系映画企画会社(1)
映画制作に「成功報酬」導入 独立系映画企画会社(2)

記事を読むと、要するに脚本家やアニメーターや制作会社にお金が還元されるシステムを採用してるってことらしいんですけど、この記事を書いてる執筆者が、一般的な映画にまつわる金の流れについてイマイチ詳しくないせいか、非常に不明瞭な内容になっています。

冒頭から順に見ていきます。
独立系映画企画会社のミコット・エンド・バサラ(東京都渋谷区)が、制作現場にも利益を還元する「成功報酬システム」を導入し、邦画業界の変革に一石を投じている。

ふんふん。で、どんなシステムなの? と期待しつつ読み進めます。
ミコットの成功報酬システムの仕組みはこうだ。タカラトミーやセガなど大株主から約5億6000万円という手厚い資本金を集めた同社が、企画から配給、キャラクターグッズやDVDの販売まで全体的に映画ビジネスの主導権を握る。

特に目新しい独自性はないですね。今のところ。
で、更に読み進める。
まず、グッズやDVDの販売などで、関連する企業から「最低保証額」の契約をとりつけ、トータルの収益を見積もる。

グッズやDVDで最低保証金についての条項を含まない契約のほうが珍しいと思うんですが。で、トータルで収益を見積もらないで映画を作る粗忽者ってどこにいるんですか。
利益の15%から20%を成功報酬として、脚本家やシナリオライターなどのクリエーターや制作会社など現場に還元する契約を結ぶ。

印税方式で成功報酬を現場の人に還元するシステム自体は、一般的ではないですが珍しくもないです。ただ、15%〜20%ってのはたしかにあまり聞いたことがないくらい高い比率です。これはなかなか凄いです。
これまで、邦画の制作は、脚本家やシナリオライターたちが、劇場を持つ大手映画会社に企画を持ち込み、採用された場合、制作費の予算を提示される。劇場への観客動員やDVD販売が成功しても、現場が受け取る報酬は、制作費の予算額と実際にかかった制作費の差額にとどまる。

よくわからない。現場が受け取る報酬というのは、制作費の一部でしょうが。つまり、制作費そのものなんですが。まあ、言葉の問題かもしれませんが。
最近は、テレビ局や広告会社などの出資者を巻き込んだ「製作委員会方式」が主流になっているが、この場合も、現場が受け取る報酬の仕組みはほぼ同じ。ミコットは、製作委員会方式の場合も、幹事社に就任し、成功報酬制度の導入を働きかけている。

製作委員会方式を採用する場合でも、成功報酬制度を導入するかどうかは、製作委員会を組む基本契約で規定されるわけですから、成功報酬制度を導入することと、ミコットが幹事会社に就任することに直接の関係があるようには思えませんが。まあ、幹事会社になりたいですという積極性が、まあそれならこいつらのいう成功報酬制度を採用してやってもいいかなという流れになるということなんでしょうね。
三宅社長は「製作した映画の約4割で現場への還元ができている。成功例を積み重ね、投資家の信頼を得ていきたい」と話している。

この書き方からすると、制作費や配給経費の回収後を起点にして現場への成功報酬印税が分配されるってことでしょうか。そうすると、ミコットは6割の映画で赤字だってことを意味しそうなんですが。

<結局のところ、こういうシステムなのかなという予想>

たとえば、映画興行について、
制作費:1億円と仮定
P&A:5000万円と仮定
配給手数料控除後の配給収入:2億円と仮定
現場への成功報酬率:20%と仮定

(2億-5000万-1億円)×20%=1000万円
=現場への成功報酬=1000万円
残りの4000万円は製作会社へ

結論としては、記事は不明瞭だが、ミコットはなかなかがんばっている(ってつまんない結論だな。。)
posted by valisystem at 22:26| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月20日

サソリが刺される



2007年10月4日(economist.com)

なんで検察官が停職に?

今週、アフリカ民族会議(ANC)の指導者候補の指名に関する議事が始まるが、雰囲気としては、誰が党首としてタボ・ムベキ大統領の地位を承継すべきかの議論により既に不透明な状況で、憎まれ口を叩かれている。

ムベキ大統領は最近、スコーピオンという名で知られる、(警察活動を監視する)国家検察局のトップであるVusi Pikoliに、彼の上司である法相に関連した「回復不能な損害」を理由として、停職処分を科した。

Pikoliは、停職処分を受ける前に、南アフリカ警察を率いるJackie Selebiの逮捕令状を取得していたと伝えられている。

クビになるべきはSelebiではなくPikoliなのかどうかついて、調査が開始された。しかし、政府は、Pikoliの停職について、曖昧な態度で口を閉ざし続けているので、(党の次の代表を決める12月のANCの選挙に影響を与える)陰謀論者たちに、格好のエサを与え続けていている。誰が選挙に勝とうと、勝者が事実上次の大統領となる見通しだ。

Pikoliは、つい最近、南アフリカの前副大統領(2005年に解任されたが、今でも大統領を目指している)のジェイコブ・ズマ(注1)の行動に対する、南アフリカ港湾当局(NPA)の6年に及ぶ調査を監視していた。昨年、ズマに対す汚職及び詐欺罪での訴えは棄却されている。しかし、NPAは、彼に対する再度の告発の可能性を捨てていない。

スコーピオン(国家検察局)は、1990年代後半に、汚職と組織犯罪の監視のために設立されたが、その権力と政治的な点数稼ぎに対して、非難を受けている。批評家は、スコーピオンを解散させるか、警察に吸収すべきだという。政府任命の委員会は、安全危機管理担当大臣への報告を除いて、国家検察局がNPAの管轄を犯さないようにすることを提案した。

Selebiは、南アフリカの驚くべき凶悪犯罪の多さのことで、長きに渡ってやりだまに挙げられている。彼の罷免を要求する声は、Selebiが、スコーピオンに逮捕された、犯罪組織のボスと考えられているGlen Agliottiと友人関係にあることを認めたことで、より高まった。スコーピオンは、身の潔白と職務を全うしていると主張するSelebiを調査し続けていた。

反対派は、より完全な説明を求め続けているが、今までのところ無駄に終わっている。Pikoliは多くの有罪判決を勝ち取ってきた。

NPAの独立性が本当に意味することが何かについては、様々な意見がある。反対派は、Pikoliに国家検察局のトップとしての適性があるのかに関する調査について、ANCのヴェテラン議員であり、議会の前議長であるFrene Ginwalaがその調査を率いることが決まるまで、その独立性を問うていた。

PIkoliの停職は、Selebiの逮捕という事情が背景にあったのだろうか。大統領府は、Pikoliの停職がSelebiを守るために行われたという言説を否定している。

NPAも同様だ。しかし、ムベキ大統領がより詳細な説明をしたがらないことが、南アフリカの国家機関が、ANCの政治的駆け引きによる気まぐれで冷酷な対立関係の支配下にあるという疑惑を増幅させている。

注1:Jacob Zumaは、ANCの現副代表。レイプ容疑で訴えられたことがあります。HIVについての知識もいい加減なことで知られています。

やっと訳し終わりました。economistの記事は僕の英語力だと訳すのが大変でした。間違いも多そうです。
posted by valisystem at 11:34| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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